定食料理屋 竜虎亭

老若男女問わず広い人気を呼んでいる料理屋だ。
家庭的な素朴な味わいと畳み座敷の落ち着いた内装。
きれいに掃除された店内にはホコリひとつ落ちていない。
目つきが悪い主人は20代前半にして名うての料理評論家を唸らせるほどの腕前。
かわいらしい奥さんは料理以外のすべてをとり仕切る。

海原雄山「レバニラ定食を二つもらおうか」
大河「あい!レバニラ定食2人前入るよ!」
竜児「レバニラ二丁喜んで!」

店にはいつも客足が耐えない。
お忍びで、女優の川嶋亜美や女子メジャーリーガーの櫛枝実乃梨も食べにくるという噂だ。

山岡士郎「ご馳走様。あ〜食った食った」
大河「はい、またどうぞ〜」

〜閉店後〜


竜児「お疲れ様。大河」
大河「おつかれ。竜児」

のれんをしまい「本日閉店」の札をかける。

大河「ひいふうみい…今日も目標利益は達成!お店と土地の賃借代もあと少しだね」
竜児「俺たちも飯にしようか」

じゃっじゃっと中華なべが唸る。
それを頬赤くうっとりと見つめながら大河は

「やっぱり竜児ほど台所が似合う男はいないわ」

とつぶやく。
料理ができると二人は向かい合って食事を取る。

竜児「ご苦労様。今日は新しいチャーハンを作ってみたんだ」
大河「はぐはぐ…んまんま…これ、メニューに出せると思う。おいしい」
竜児「そうか。じゃあ、明日から試しに出してみよう」

店内には笑顔が耐えない。それが閉店した後でも。
だが以前、竜児は謝ったことがある。

「年頃なのにお前を遊びにもつれて行けない。朝早くから夜遅くまでずっと仕事で休む暇もない。ごめんな」と。

大河はグーパンと愛ある言葉でこう返した。

「あんたがサラリーマンになって一日中会社に拘束されて会えないより、忙しくともずっと一緒に仕事をしているほうがいい。それに、あんたの料理を食べた大勢の人の笑顔が見られる。これほど幸せなことはない」と

あなたも大橋高校の近くまで行くことがあったらぜひ竜虎亭に寄ってみるといい。
きっと幸せになれるはずだ。



作品一覧ページに戻る   TOPにもどる
inserted by FC2 system