大河「うおりゃ〜!」

ガラガラ

竜児「お、出た」
大河「…青玉?」

カランカラン

「2等賞!水族館ペアチケットね!はいおめでとうさん!」


竜児「というわけで来てみたが」
大河「意外と人、多いわね」
竜児「夏休み終盤でピークは過ぎてると思ったが…」
大河「てか2等で水族館てどれだけケチなのよ…」
竜児「1等なんてマウンテンバイクだもんな…いつの時代だよ…せめて液晶テレビとかだろ」
大河「まあポケットティッシュよりはマシよね。それにタダなんだし許してあげるわ」
竜児「それもそうだな。ここ結構人気らしいし。んじゃ早速行くか」

大河「…うわあ…」
竜児「…すげえな…」
大河「私水族館て初めてなんだ…テレビで見たことはあったけど…ホントにトンネルになってるのね」
竜児「俺が子供ころに連れて行ってもらった水族館は、両側がガラス張りになってただけだったな〜…こういうのは俺も初めてだ…」
大河「…ねえ竜児…この目の前の鯖…おいしそうじゃない?」
竜児「いい鯖だが、今はその食欲抑えような」

大河「あ、竜児!サメ!サメがこっちにきてる!」
竜児「ん?」
ギロ…
大河「……あんた…サメに勝ったわね…」
竜児「…魚にすらビビられるのかよ」




大河「えっ?ペンギン?水族館て魚だけじゃないの?」
竜児「ペンギンぐらいいるだろ。ラッコとかいる水族館もあるみたいだしな」
大河「……カワイイ//」
竜児「なんか言ったか?」
大河「な…なんでもないわよ!…ほら、突っ立ってないで次行くわよ!」
竜児「…へいへい」

竜児「…おう!」
大河「…グロテスク」
竜児「【深海の生物】か…どうりで薄暗いわけだ」
大河「…なんか…ブサドリに近い何かを感じるわ」
竜児「なんてことを言うんだ!インコちゃんに対する侮辱は俺が許」
大河「うるさい」
竜児「ガハッ…み…みぞおち…」

竜児「まさかイルカショーまでやってるとはな。そりゃ人気なはずだわ」
大河「…なんであんなに芸ができるのかしらね?」
竜児「頭がいいからじゃねえの?春田にも見習ってほしいもんだ」
大河「いくらなんでもイルカに失礼よ」
竜児「…イルカにかよ」

ザバァーン

竜児「おう!」
大河「ひゃっ!…私に挑発?いい度胸じゃないの…」
竜児「おい、イルカに拳を向けんな…パフォーマンスだろ?……だからって俺に向けんな!」




大河「…なんか疲れた」
竜児「そこのベンチ空いてるな…座ろうぜ」
大河「やっと一通り回れたわね…」
竜児「まあ結構楽しめたな」
大河「そうね。暇つぶしには丁度よかったわ…竜児、喉かわいた」
竜児「ん?そうだな…なんか買ってくるか…ちょっと待ってろよ」

竜児「ほれ、て…寝てやがる…疲れてたんだな。ハハ…幸せそうな顔してやがる。起こすのもあれだしな…よっこいしょっと…」
竜児「ん?お土産コーナーか。まあ特には…あ、そうだ」

大河「……ん…?」
竜児「お、起きたか」
大河「あれ…私……」
竜児「よほど疲れてたんだな。ベンチで寝るくらいなんだからな」
大河「……あ…そうか…水族館で…」
竜児「まああんだけはしゃげばそりゃあな…あ、降りるか?」
大河「……もう少しこうさせて…」
竜児「おう。……そうだ大河、ほいこれ」
大河「ん?…あ、ペンギンのぬいぐるみ…」
竜児「一番夢中で見てたからよ…好きなのかな〜とか思ってさ」
大河「……」
竜児「…違ったか?」
大河「ううん……竜児…アリガト」
竜児「…おう」




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