◇ ◇ ◇ ◇ 

「やってられなくね?亜美ちゃん、やってられなくね?てか、だるいんですけど。日曜日か・え・せ・って気分なんですけど」
「ばかちーどうしたの?また発情期?」
「は?カンケーネーYo!引っ込んでろチビ虎。ねぇ、高須くーん、手伝って?」
「ちょっとあんた、なに人の犬っころ勝手に呼びつけてんのよ」
「誰が犬だ。川嶋、どうしたんだ?」
「あ〜ん、高須君、タイガーがいじめるの。じゃなくて、100くらいあるHTMLファイルのHEADにMETAタグ入れてるの」
「…なにやってんだお前…」
「祐作が悪いのよ。生徒会長に押しつけられたとか言って、私にそのまま押しつけるんだもん」
「え、何?北村君が性悪生徒会長にいじめられてるの?!竜児、活躍のチャンスよ。あんたが砂糖なめくじ犬じゃないことを主人に私に見せてご覧なさい!」
「はいはい。で、どうやってんだ?…おう、いちいち手作業かよ!」
「だって祐作がそうしろって…ねぇ、高須く〜ん、亜美ちゃん忙しいんだけど、これ高須君にお願いしていい?てか、あと、よろしく。つーか、明日までにやっとかないとコ・ロ・スよ♪。あは〜ん、おねが〜い」
「離れろ離れろ!大河、帰るぞ」
「うん…そうね。北村君には悪いけど、本当に悪いのは悪ちーだから」
「ちょちょちょちょ待ってよ待ちなよ置いてかないでよ!も〜、冗談通じないんだから。い・じ・わ・る。ね、高須く〜ん、どうすればいいか亜美ちゃんにおしえて?」
「ったく最初から素直にそう言えよな。複数ファイルに定型変換するなら高機能エディタを使えよ」
「高機能エディタ?」
「秀丸とかemとかPeggyとか聞いたことあるだろう」
「亜美ちゃんわかんな〜い」
「大河、帰るぞ」
「嘘嘘嘘、聞いたことある!」
「そういうエディタはたいていディレクトリ内のファイルに一括置換する能力があるんだよ」
「竜児…痴漢って、あんた…」
「チビ虎は黙ってろ!高須君、置換よね」
「おう。だからそれ使えよ。ディレクトリを指定して、内部の全HTMLファイルのを< /title>に置換すればおしまいだ」
「亜美ちゃん、もう手で置き換えたファイルがあるんだけど」
「一括変換前にそのファイルだけ余所のディレクトリに避難させとけよ。エクスプローラーで出来るだろ」
「どのファイル変更したかな…」
「変更日付で並び替えればわかるんじゃないのか?」
「ほんとだ…どのエディタがいいと思う?」
「さぁな。俺は使ったことない。これ書いてる奴はPeggyを使ってる」
「え?何?何の話?てか、Peggyって有料じゃん」
「お試し版使えよ」
「ふーん、そんなのもあるの…」
「ね、竜児。もういいでしょ?行きましょ。帰りスドバ寄ってかない?」
「そうするか。じゃ、川嶋、あと一人でやれるだろ」
「あーん、置いてかないで。てか、高須君、なんでこんなに詳しいの?」
「おう、『Linux クックブック』って本を買ったら、料理の本じゃなかったんだ。で、MOTTAINAIからコンピュータの勉強をしてたらいろいろ詳しくなってな。パソコンは持ってないんだけどな」
「…」
「…竜児、スドバいきましょう」
「おう…じゃなぁな、川嶋!」





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