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「えっふえっむおっおはっし♪
えっふえっむおっおはっし♪
みっんなっのねっがいっを〜♪
つっなっぐっはっしっ♪
(以下ジングル)
逢坂さんと高須くんのラブラブアルバム!
高須くんと逢坂さんのラブラブアルバム?
どっちが政治的に正しい(ポリティカルコレクトネス)の!? オラもう分っかんね!」
(終わり)
「はーいやってまいりました第二回、「逢(略)ム」お相手は常に輝ける無敵の大スタア! 亜美ちゃんでーっす!
今日も張り切っておたより紹介……してい……き……あーもうダメ。無理だわ。持たねーわ。
あと実乃梨ちゃん頼むわ。亜美ちゃん寝てるね」
「おいおいあーみん! 出だしからいきなり息切れかい!? なっちょらん! なっちょらんよチミ!
あんたはこんなところで終わる漢じゃあねえズラ! 真っ赤な夕日に誓ったでねえの!?」
「……女だよ。つーか誰だよ。あたしは何を何回誓わされてんだよ」
「細けーことは気にすんなってことよぅ! さあてあーみん! あたいに司会を任せていいのかい!? 任せちゃうのかい!?
世界が滅んでも櫛枝実乃梨にだけは司会はさせるべからずと言わしめたこのあちきに司会させちゃうのかい!?
ふへっ! その男気買ったあ! 不肖・櫛枝実乃梨、この俺っちが司会を任せられたからには! 一分で放送事故を狙える番組にしてみせるぜ!」
「いいじゃん放送事故。とっとと終わっちまえっての。ったくこんな番組誰が楽しみにするもんですかい……ってか、誰得?
亜美ちゃんの苦しむ様をどっかで楽しんでる変態がいるの?
いたとしたら何でその変態的欲求を満たすために亜美ちゃんが頑張んなきゃいけねーわけ?
あ?」
「ところであーみん、あたいの携帯のことなんだけど……」
「しっらっ……ねーよっ! あんたなんか嫌い!」
「ご覧あーみん、変態、と打ち込もうとするべ? へんた……ほら、ここまで打ったとき予測変換に最初に挙がるのはヘンダーソンなんだぜ……誰だよ。
私が知らないだけで超有名なのかなヘンダーソン氏。あーみんの知り合いにいない?」
「いねーし」
「Welcomeback!」
「アンダーソンもいねーよ!」
「そうそうなんでこの話になったかっつーと、前にさ、高須竜児、って打とうとしたことがあって」
「亜美ちゃん何となくその話は聞きたくないな……」
「竜児って、一発変換できねーの。実乃梨は分かるよ? どうみてもしちめんどくさいDQN名……いやいや、だから単語登録してるさ。
亜美も大河も祐作も出るのに、割とシンプルな竜児が変換できねえってなんか違和感あるなーって、それだけなんだけどね」
「オチくらい考えて話せよ!」
「いやーいやー、わりーわりー、じゃあ一発。
そのとき勢いで竜児って単語登録してしまったんだけどさ。でもさ。
……使わねーの。見事に使わねー。まあよく考えてみりゃそうなんだよね。
私が高須くんの下の名前呼ぶことなんてリアルでもメールでも全然ありえねーのによー、なんで登録しちまったのかなってさー。
一度登録しちゃうと何となく消しにくいじゃん、メアドとかもそうだけど人の名前って。
そいで私もすっかり忘れているうちに、別の言葉登録しようとしたらさ……出てきたよね。
あまじょっぺー思い出と共に出てきたよね。
私の携帯にはアドレス帳に登録されてる『高須竜児』の他に単体で『竜児』って言葉が登録されてるわけよ。
一生使うことのねえ呼び名がよ」
「……あー……」
「思わずご近所を全力疾走しながらニルヴァーナとか歌っちまったよね」
「何を」
「レイプミー」
「やめろや」
「そんであーみんはこの番組を『ご当地きゃわいい子巡りの旅〜発見! みのりんレーダー!〜』として再出発させたいんだっけか。
司会・私、セクシーアシスタント(バニー衣装)・あーみんで」
「あんた一人でやってな!」
「いけず! セクスィーアシスタントあーみん(過激なバニー衣装)の協力なしじゃこの新番組は立ちゆかないのよ!」
「行き倒れてしまえそんな番組!」
「まったくあーみんのわがままにも困ったもんぜよ〜、大河たちのラブラブっぷりを紹介するのがそんなに不満なのけ?
だったらおいどん、そんなあーみんにもバッチシなネタを知っているでごわす」
「上手い具合に話が逸れたと思ったのに……」
「ほら、あーみんが転校してくる前の話さあ。今の大河たちを見飽きたって言うならあーみん、あーみんの知らない二人の様子を聞かしてやろう」
「(正直聞きたい)べっつにー……興味ねーし……実乃梨ちゃんが話したいっつうんなら話せば?
愚民どもの愚にもつかない駄文を垂れ流すよりマシなんじゃね?」
「うし、そんなら言って聞かしょう。見えぬ者は音に聞け。
あれはー去年の春のことじゃったー……大河と高須くんが付き合ってるんじゃね? 疑惑が囁かれる前の話じゃい」
「つうか私が転校してきた時点で付き合っていなかったっつーのがほとんど冗談だけどな」
「まあ混ぜっかえすない……オホン。
ワンデイ(ある日)、某H田君は図書室に居ました」
「嘘じゃん」
「それがよ、奇跡みたいなことがあるんだナ。ともかく奴は図書室にいたのさ。その影響か、その日大橋一帯は豪雪に見舞われたりはしなかったんだけども、彼はそこで大河と高須くんを見つけたわけ。
その状況を説明した彼の言葉をそのまま伝えると、
『いや〜びっくりしちったよ〜、高っちゃんとタイガーが本棚の影(正:陰)でこそこそなんかしてんのよ。
「うっわー見ちったー図書室でいちゃつくカポー見ちったー(笑)」とか思って、ていうか俺びっくりして、別に隠れもせずフツーにそれ見てたんだけど、あいつら全然気ず(正:づ)かないでやんの。
そんで何してんのかと思ったらお菓子づくりの本見てんのよ。高っちゃんがタイガーに説明してる感じ?
見てるとタイガー全然説明が分かんないらしくて、イライラして声がでかくなんのよ。そうすっとこう、パッと。高っちゃんの手が出るね。優しくタイガーの口を押さえるのさ。
俺思ったね。「うっわー見ちったーマジで殺られる五秒前!(笑)」
だって間違ってもタイガーに指一本触ろうもんならタイガーアッパーカット(→ ↓ \+P)が炸裂してた時期だからさー。
でもないのよ。迎撃なし。無抵抗。されるがまま。そのあとも声がでかくなるたびに口塞がれてんの。
高っちゃんは高っちゃんでタイガーに合わせて背中丸めて本持ってさー。
「うっわーやっぱいちゃついてんよー」って思って俺はだしのゲン読んで帰ったの』
「なぜ原文ママにしたし」
「別にオチもないしね」
「あたしがバカだったよ! 期待したあたしがバカだったよ! あんたなんか嫌い!」
「ごめんあーみん。実は春Tくんのおたよりを読んだだけなんだ」
「やだーもーこいつやだー! 亜美ちゃん帰るーもう帰るー!」
「まあまあ。さて、次のおたよりです」
「しれっとおたよりコーナーにすんな!」
「ペンネーム『高校球児』さんからのおたより」
「あんただろ」
「『あーみんみのりんおっすまん』
さんこん。
『大河と高須くんのことなら俺っちに任せな! 春ごろに目撃された完全アウトな二人の行動。ここはいっちょ列挙してやんよ!
以下、そのときの彼らの言葉。原文ママ。
「お前口にノリついてんぞ」「えっ嘘、とってとって」」
「次体育だから髪やって」「おう」
「ちょ、こぼしたこぼした」「えっどこ?」「膝だ膝。あー動くな動くな。俺がやる」
「ねえ竜児なんか目に入った」「どれ。はい上見て。下。右。左」
「ボタン掛け違えてるぞ」「あらいやだ」「仕方ねえなまったく」
「ねえ竜児今日肉じゃががいい」「よしきた」
「ねえ竜児」』」
「あーもういいもういい! 分かった分かった!」
「なんだいあーみん。こんなのまだまだ序の口だぜい!」
「序の口っつーか……今と何が違うんだよ。去年のごちゃごちゃしたアレやソレは何だったのよ。
何でウチらはあんな痛々しい青春の日々を送ったのよ。変わってねーじゃんあいつら」
「そっかねー。あたいからすりゃ一目瞭然なんだけどなー。
大河の甘え方にも高須くんの甘やかし方にもビフォーアフターで結構な違いがあんのによー」
「知らねーし心底興味ねーし」
「あ、オラ分かっただ」
「何がよ」
「あーみん、寂しいんだべ」
「はあ!?」
「なるへそなるへそ、合点承知。あんたの気持ちはよく分かった!
友達が結ばれたのは嬉しい。でもこの気持ちは何かしら。幸せそうな二人に感じるこの気持ち。
はっ、さては嫉妬。私ったら妬いているのね。二人が羨ましいのね。独り身で寂しいのね!」
「憶測で語るな!」
「またまた、あーみん、水臭いぜ? スメルズライクウォーターだぜ? ったくよー、言ってくれりゃいいのに。
俺っちが胸貸すぜ〜、超貸すぜ〜」
「ちょっと、実乃梨ちゃん、なんでブレザーを脱ぐの?」
「あみのりってジャンル、知ってる?」
「アッー!」
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